医師に抗生物質を何度処方してもらっても、鼻炎が全然よくならないなんてことはありませんか? それなら一度、鼻にハチミツを突っ込んでみてください。実は、科学的研究によって、マヌカハニーで鼻をすすぐ事で、鼻炎の原因となるある特定の細菌を殺すことができるという事が証明されているのです。
ハチミツはどのようにして鼻炎効くのでしょうか?
鼻炎は黄色ブドウ球菌などの細菌によって引き起こされます。それらの細菌はバイオフィルムという、根絶が大変難しいコロニーを形成します。マヌカハニーには、強力な「抗バイオフィルム」という特性をもつ「メチルグリオキサール(MGO)」という化合物が豊富に含まれています。
雑誌『AIMS Microbiology』に掲載された2018年の研究では、実験室での細菌コロニーに対するマヌカハニーの有効性が報告されています。さらに驚くべきことに、ハチミツは黄色ブドウ球菌の抗生物質耐性株に対しても効果的であることが示されています。
2014年に『International Forum of Allergy&Rhinology』で発表された別の研究によると、0.9~1.8 mg/mLのレベルのMGOを含むハチミツで羊の副鼻腔を洗浄すると、黄色ブドウ球菌と効果的に対抗していることが確認さたとの事でした。(このテストでは、分析のために組織を簡単に摂取できるよう、羊が使用されました。)2017年に42人の患者を対象に、マヌカハニーで鼻を濯いだ患者と、食塩水で濯いだ患者とを比較する臨床試験を行ったところ、マヌカハニーの方が食塩水よりも鼻炎の症状が大幅に減少したという結果が得られました。
また、『Letters in Applied Microbiology』に2018年に掲載されたレポートによると、マヌカハニーはそれ自体に抗菌作用があるだけでなく、抗生物質の効果を高める能力も持っているとの事です。具体的には、マヌカハニーが、オキサゾリジノン系抗生物質であるリネゾリドが黄色ブドウ球菌へより効果的に反応するよう促す役割を果たします。
マヌカハニーの何がそんなに特別なのでしょうか?
細菌性鼻炎の治療法としてハチミツを検討するにあたり、すべてのハチミツが全く同じように作られているわけではない事を留意する必要があります。
マヌカハニーは、マヌカの木(Leptospermum scoparium)に受粉するミツバチによって作られます。この植物は世界中で育つ事はできますが、ニュージーランドとオーストラリアでしか花を咲かせる事ができません。これらの花には、ジヒドロキシアセトンという化学物質が高い水準で含まれており、この化学物質がMGOへと自然変化していきます。よって、マヌカハニーはクローバーなど他の植物から作られたハチミツよりも、はるかに高濃度のMGOを含んでいます。真のマヌカハニーとは、シャンパンと同じように地域によって異なる特徴を持っています。スパークリングワインは世の中にたくさんありますが、合法的にシャンパーニュと呼ぶことができるのは、フランスのシャンパーニュ地方で栽培されたブドウから作られたものだけです。同様に、マヌカハニーもニュージーランドかオーストラリアから作られたものだけを、本当のマヌカハニーと呼ぶことができるのです。
当然のことながら、本物のマヌカハニーは他の品種よりも高価です。わずか8オンスの瓶で約30ドルの値段がかかります。マヌカハニーを購入するときは、ハチミツに含まれるMGOの量を示すUnique Manuka Factor(UMF)評価値を探してみてください。 UMFの数値が高いほど、ハチミツはより高品質なものになります。 UMF評価基準を使うことを許可されている企業は世界で100社未満しかありません。
ハチミツは慢性的な鼻炎にも効果があるのでしょうか?
ハチミツは鼻炎の自然療法として、科学的にも実際の効能が裏付けさています。しかし、鼻炎持ちだからと言って、とにかく鼻にハチミツを突っ込めばいい、というわけではありません。
まず、鼻炎はさまざまな細菌によって引き起こされるケースがあり、ハチミツがほとんど、あるいは全く効かない場合もあります。次に、あなたの鼻炎が細菌性鼻炎ではない可能性もあります。上気道感染症を引き起こすアレルギーやウイルスも、鼻炎と同様の症状を引き起こします。最後に、慢性的鼻炎が細菌によって引き起こされたものだとしても、すでに副鼻腔手術を以前受けた事がある人には、生理食塩水点鼻薬の方がハチミツよりも効果があるという事が証明されています。